第11回「土佐沸騰」
龍馬は加尾との壮絶な別れから立ち直れずにいました。
その頃江戸では、開国を強行し、反対派を次々と罰していた幕府の大老 井伊直弼が、水戸浪士によって暗殺される「桜田門外の変」が起きていました。
それを武市は道場で「わしらも水戸浪士と同じ刀を持っちゅう。世の中をひっくり返すことができるがじゃ」と下士たちの闘志を煽っていました。
龍馬は下士たちを煽ることは危険だと武市に忠告をしましたが、聞く耳を持たず、ついに下士が上士を斬るという前代未聞の事件が起こってしまいました。
双方戦う勢いでしたが、見かねた龍馬は丸腰で上士の屋敷に乗り込んで行きます。
当然、屋敷の中で刀を突きつけられ「下士が話し合いたいなどつけあがるな」と激怒されますが、龍馬は怯むことなく「このままでは土佐のためにならない」と毅然とした態度で言い放ちます。
それを聞いていた東洋は、刀を納めるよう命じ、後藤象二郎に武市との話し合いを受けるように命じました。
話し合いは、またも下士の切腹で決着を迎えましたが、龍馬は無駄に命を捨てる責任の取り方に憤りを感じています。
龍馬は東洋に呼び出され「上士の中に一人で乗り込んでくるとはなかなかいい度胸をしている。」
「こんな男が下士の中におったとはのう。坂本、おんし明日から登城せい。上士に取り立てちゃる」と言われます。
当時下士が上士になることは考えられない事でしたが、龍馬は返事を保留します。
そして、龍馬は武市の道場に呼ばれ、攘夷のために力を貸してくれと「土佐勤王党」に「土佐で最初に血判を押すがわ龍馬おまんじゃ」と武市が詰め寄られます。
吉田東洋は人を見抜く力も大いに持っていた逸材のようです。
龍馬の大きさを感じる第11話でした。