坂本龍馬

坂本龍馬という男の魅力

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第4話「江戸の鬼小町」

嘉永6年(1853)春

 

土佐から30日目ついに江戸へ到着した龍馬は、侍よりも町人・商人がメインで活気にあふれた町に興奮します。
築地の土佐藩中屋敷での1年半の江戸生活が始まります。

 

龍馬の剣の修業先は、江戸の三大流派の一つ北辰一刀流の名門・千葉道場。

 

その他の流派は築地浅蜊河岸の鏡新明智流の名門・桃井道場、九段俎橋の神道無念流の名門・斎藤道場があります。
斎藤道場には、長州藩士が多く桂小五郎・高杉晋作などが門下生でした。

 

初日のあいさつもそこそこに龍馬は太刀筋のチェックを受けますが、開いては千葉道場の娘の千葉 佐那。
龍馬も立ちうちできない程の強さを持った佐那に、驚きを隠せません。

 

佐那は、子供の頃から北辰一刀流を極めるため剣一筋に生き、かわいい見た目と剣のギャップに千葉の鬼小町として有名でした。

 

龍馬伝では、龍馬に剣以外の事も学べと、遊女のいる飯屋に連れられて、そこで桂小五郎と初対面をする物語になっていますが、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」では、斎藤道場との対抗戦で互いに対象として大戦をしています。
その時の描写は固唾をのんで本を読むと言った感じでしょうか。

 

龍馬は桂小五郎から「外国が日本を狙って来る」と言う話をする。
その時の龍馬は、そんな話があるかと信じられずにいましたが、すでに黒船は江戸へ向けて出港していました。

 

その頃の龍馬は剣の腕を上げていました。
佐那は父の定吉にもう龍馬に勝てないと伝えられショックを受け、龍馬に勝負を挑みます。

 

でも龍馬は打ち合う気にはなれないと言い勝負を拒みます。
「つまるところ、戦で相手を殺す道具ですき」

 

それでも佐那は男も女もないと仕掛け、龍馬は佐那の竹刀をかわし竹刀を取り上げると佐那を軽く床に倒します。
「これが戦ならお佐那様は死んじょります」

 

佐那はどうして女に生れてきてしまったのかと涙を流しますが、龍馬は、あなたの凛々しさは剣で身に付けた、誰にも真似のできないあなただけの凛々しさだと優しく諭します。
「お佐那様は、ワシにはまっこと眩しゅう見えるぜよ」

 

好意を抱く人にこんなことを言われたら、女性は狂ってしまうかも知れません。

 

実際龍馬は、外見はイケメンではなかったと言います。
なぜ、龍馬が女性にもてたのか?

 

それは豊かな感情表現と筆まめのせいとも言われています。
これだけストレートに感情を表現できる男はなかなかいないのではないでしょうか。


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